先日のYoutube動画にて、速学の合格者の分析を行いました。
2023年度の学科試験では、合格した方とそうでなかった方の点数の差が大きくひらく結果となりました。
合格した方の平均:94.6点
合格に届かなかった方の平均:74.8点
約20点の差はなにが原因だったのか、私なりに見解をお話しします。
一言で言うと「応用力」があったかどうかです。
実際の試験内容からポイントをみていこうと思います。
Contents
2023年度学科試験分析
No.6-1〇:CLT No.6-2✖:LVL
構造からの知識になります。CLTは直交、LVLは平行と覚えた方は多かったと思います。
平行となる方向に積層するということは、普通に考えれば長い材に使うというのが想像できます。つまり、柱、梁に使われる材料であることは推測できます。
No.14-4✖:パソコン画面の鉛直面照度と水平面照度
環境からの知識になります。反射率が高い画面で鉛直面照度を高くすると、画面内の輝度対比の低下により文字が見えにくくなります。また、光が反射して目に直接入ってくるため、画面を見続けることで目は疲れます。パソコンに輝度を調節する機能があるのはそのためです。
No.15-4〇:穴あき板の吸音性能
環境からの知識になります。板材と穴あき板でどちらが吸音性能が高いかを想像できれば答えられる問題です。吸音するためには音は壁をすり抜けていった方がいいわけなので、穴が空いていた方が吸音性能は高くなります。
No.18-2✖:重要事項説明
法規の建築士法からの問題です。設計受託契約又は工事監理受託契約を締結しようとする際に説明が必要になるもので、締結後に行うものではないということです。
No.4-3✖:熱伝導率
頻出して問われている問題です。勾配が急になるほど材の表裏で温度差が生じていることになります。つまり断熱性能が高い材のほうが勾配が急になります。
根本的な理屈を理解していれば簡単に解ける問題です。
No.6:太陽位置図
太陽高度がイメージできていれば太陽位置図が読み取れなくても即答できる問題です。わからない問題に直面した時、自分の持っている知識から答えを導き出せるかが得点を伸ばすカギになります。
No.13-4✖:ボイラー
第3種換気方式はトイレ等の室内を負圧に保ちたい室に利用します。ボイラー室は常に燃焼用空気が必要になるので、第2種換気方式により常に新しい空気を導入する必要があります。
No.16-1✖:力率
力率とは、皮相電力(電圧×電流)に対する有効電力の割合になります。分母と分子が反対になっている問題ですが、正確に覚えていれば答えられる問題です。ただ、覚えていなくても、「分母」は基準となる数値がくるものだと考えれば、計算によって定量が決まる皮相電力(電圧×電流)が分母にくることは明らかです。
No.19-4✖:エキスパンションジョイント
構造からの知識になります。エキスパンションジョイントとは、それぞれの構造が独立しているもので、地震時にはそれぞれが独立して揺れることになります。このことからそれらの間に給水管を設けるとしたら、当然建築物上部のほうが大きく揺れるわけなので、なるべく低い位置で配管したほうがいいことが想像できます。
取り上げた問題に共通することは、「考える」ということです。そのためには知識を点で学習するのではなく、面で捉えることができるように学習する必要があります。
対策と学習方法について
具体的にはどうすればよいのか、以下にポイントをまとめました。
誰かに教えてもらわないとわからない、という態度はどこまでいってもその知識は点でしかありません。自分で調べて整理するという「過程」が重要になります。
なぜなら、その過程で考えるからです。テキストに載っている言葉を覚えるのではなく、自分の言葉に落とし込んで理解しなくてはいけません。
過去問を繰り返し行って答えを覚えてしまう学習は、点の知識にしかなりません。
過去の問題から、今後出題されるかもしれない問題を想定することが重要になります。あらゆる角度から問題を想定して、周辺知識と合わせて理解することが、面の知識となります。
講義を聞いてわかったつもりになるのではなく、自分だったら他の人にどう説明するのか考えてみてください。実際にまわりの人に教えることで、実力がつきます。
説明できないうちは理解できていません。
最後に
常に能動的にものごとを捉える癖を身に着けてください。速学の無料講義では常に能動的に考えられるように講義を進めていきます。
詳しい日程等はLINEチャットでお知らせします。
早い時期から学習の仕方を確立していきましょう。