2月に入り試験まであと半年を切りました。
毎年の受かっている人の傾向として、この時期に自分の知識の整理を始めています。
今日は、その知識の整理とはなんなのかを少し解説していきます。
全体像を把握する
まず物事を覚えようとするとき、全体像を把握することから始めます。
このことについては前回の記事にまとめているので参照してみてください。
更に詳しい話をすると、
全体を把握するために、1から少しずつ積み重ねていくやり方は良くないです。
例えば覚えなくてはいけない単語が1000個あったとして、あと100日間あるとします。
一日、10個ずつ覚えれば1000個覚えることが出来る、
といったようなやり方はよくないです。
まずは覚えなくてもいいので一通り単語をみましょう。
何日間で出来るか計画をしっかり立てて、まず1000個やりましょう。
その上で単純に覚えればいいものと理解しなくてはいけないものに分けます。
覚えればいいものが500個、理解が必要なものが500個だとしたら、
まずは覚えればいいもの500個を何度も繰り返し覚えていくようにしましょう。
覚えればいいものとは、
基本的な用語、数値のことです。
ここでのポイントは、
特に覚えようとしなくても、覚えているものをどんどん除外していくということです。
何度か繰り返していれば、勝手に記憶に残っているものがあります。
たとえば
これはネコです。
いろいろな動物がいる中でみなさんはこれがネコだということが理解できています。
これは日常的にいろいろな方向から何度もこれがネコであるという情報に触れているからです。
一回で記憶しているわけではなく、何度も繰り返しインプットとアウトプットを行うことで記憶は自然に定着します。
何度も繰り返して自然に覚えたものを除外していき、残ったものをまた繰り返し覚えていくといった作業が、効率がよく、またストレスも感じません。
基本的な用語、数値を覚える
時間をかけずに、何度も繰り返す
周辺知識を覚える
次に行うのは基本的な知識の周辺知識を覚える、
というものです。
基本的な知識を補うような知識を覚えることで、知識の定着率はグンと上がります。
たとえば
これは、とまとねこです。
ネコである基本知識に、トマトをかぶっているという基本知識を補う知識を勉強します。
これによって、これがとまとねこであるという知識が定着します。
関連性の高い知識を覚える
また関連性の高い知識を覚えるのも効果的です。
ここまでの記憶の定着方法をおさらいしながら具体的な例を上げて説明していきます。
採光設計における重要用語で昼光率というものがあります。
まずその式を意味を解らず覚えたとしましょう。
$$昼光率D = \frac{室内のある点の水平面照度E}{全天空照度E_S} \times 100[\%]$$
次に、それを補完する内容を覚えます。
全天空照度とは
天空光のみによる水平面照度
直射日光は含まない⇒天候を表す。時間的に変化しないことを表す。
つまり昼光率は天候と時間により変化しない。
それが出来たら関連するものを覚えていきます。
全天空照度は、天候を表す
薄曇 50000lx
普通の日 15000lx ⇒標準
暗い日 5000lx ⇒最低照度
快晴の青空 10000lx
薄曇の日は快晴の青空と比べると5倍も照度がある。
直射日光を考慮しないことから、
天空に水蒸気が薄く張っている薄曇の状態の方が、光が拡散し、直射日光が少なくなり、天空からの光は多くなる。
また昼光率は直接昼光率と間接昼光率に分けて考えます。
直接昼光率\(D_d = ZMRU\)
Z:窓ガラスの透過率
M:保守率(汚れ、劣化)
R:窓面積の有効率
U:立体角投射率
この式のZMR部分は全て窓に関することである。
つまり窓の状態が変わらないとすれば、
直接昼光率\(D_d\) ≒ 立体角投射率U
であるということ。
立体角投射率Uは、
窓の高さが高くなると大きくなり、
窓に近づくと大きくなる。
間接昼光率は室内の仕上げ面の反射率によって異なる。
つまり内装材が白色に近づけば反射率が大きくなるので、
間接昼光率\(D_r\)は、大きくなる。
昼光率は、天候と時間では変化しない⇒それ以外は変化する。
昼光率は、窓の高さが高くなると大きくなり、窓に近づくと大きくなる。
また、内装材が明るくなれば、昼光率は大きくなる。
どうだったでしょうか。
この記事をしっかり読んでくれた方は昼光率に関する知識はもうすでに完璧です!
このように基本的な知識を補完しながら、関連項目を覚えることで、
最初に覚えた基本知識がより具体的になり、忘れにくくなります。
忘れたものを確認する
最後に、
今日紹介した方法で常に知識を整理していくことが効率につながります。
また全体像を把握しておけば、どこに時間をかけて勉強すればいいのかが分かります。
何度も繰り返しインプットとアウトプットを繰り返すことで、
何を忘れてしまったのかを確認することが一番重要です。
記憶力があまりないと思っている人は、
覚えられないのが悪いのではなく、忘れたものを確認しないことが悪いことなのです。
それを理解したとき、覚えるという行為が実は難しくないということに気がつきます。
覚えられないのなら、100回でも1000回でも繰り返せば良いのです。