今回は建築士法について出題のポイントを抑えていきます。
この項目は毎年3問程度出題され、かなりの得点源になります。
出題されるポイントは誰が、いつまでに、何を行えるのか、が毎年問われてきます。
上記のことを踏まえて法別に重要ポイントを見ていきましょう。
Contents
一級建築士に関する事項
ここは覚える必要はないですがしっかり引けるように練習しておきましょう。
大まかな聞かれ方として
一級建築士でなければ出来ない設計なのか
一級建築士あるいは、ニ級建築士でなければ出来ない設計
なのかの二通りが想定出来ます。
法3条の2における規模をしっかり確認してニ級建築士でも行えるのか判断してください。
増築の場合は増築部分を新築とみなして各号の規模に該当するか判断してください。
一級建築士名簿には、一般的な証明事項のほかに、処分歴や定期講習の受講歴などが記載されます。
この一級建築士名簿には事務所名は含まれていませんので、注意!
国土交通大臣は免許の取り消し等を行うことができる。
その際、中央建築士審査会の同意を得なければならない。
構造設計一級建築士が構造設計、または構造関係規定への適合を確認しなければならない建築物 (法20条の2第1項,第2項)
超高層建築物(建築基準法第20条第1項第一号)
一定の規模等を超える建築物(建築基準法第20条第1項第二号)
法20条第1項各号は構造や規模によって1号から4号に区分され、それによって構造計算の方法が決定します。
構造計算適合性判定の範囲(二号と三号の一部)と
構造設計一級建築士の確認が必要な範囲(一号、二号)は
同じ範囲ではないということだけ抑えておきましょう。
法20条第1項各号については、またの機会に詳しく説明します。
設備設計一級建築士が設備設計、または設備関係規定への適合を確認しなければならない建築物 (法20条の3第1項,第2項)
階数が3以上、かつ、床面積の合計が5,000㎡を超える建築物
他の建築士が設計した設計図書の一部を変更しようとする場合、その建築士の承諾を求めなければならない。ただし、承諾が得られなかった場合等は、自己の責任により変更することができる。
この条文の問題は頻出問題です。他の建築士の承諾を求めなければならない、をしっかり理解しましょう。
他の建築士の承諾を求めることなく…と問われてきたら誤った記述になります。
また、変更が一切出来ない…といった記述も誤りとなります。
建築士は、工事が設計図書のとおりに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者にその旨を指摘し、設計図書通りの実施を求め、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。
①工事施工者にその旨を指摘
②建築主に報告
の流れを覚えましょう。
建築士事務所に属する一級建築士は、直近の一級建築士定期講習を受けた日の属する年度の翌年度の開始の日から起算して3年以内に、次回の一級建築士定期講習を受けなければならない。
直近の一級建築士定期講習を受けた日から3年以内ではないということです。
延べ面積が300㎡を超える建築物の新築に係る設計/工事監理受託契約の当事者は、契約の締結に際して一号から六号までに掲げる事項を記載した書面を相互に交付しなければならない。(1項)
起算点に注意!300㎡を超えるということは300㎡までは書面はいらないということです。
事務所に関する事項
他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監理及びその他の業務を業として行おうとする者は、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所を定めて、その事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。(1項)
二級建築士でも一級建築士を雇えば、一級建築士事務所の登録を行うことはできます。
登録申請者は、一号から六号に掲げる事項を記載した登録申請書をその建築士事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。
他の県にわたって業務を行うことは出来ます。
建築士事務所の開設者は、法23条の2一号、三号、四号、六号に掲げる登録事項に変更があったとき 2週間以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。(1項)
一号:建築士事務所の名称及び所在地
四号:建築士事務所を管理する建築士の氏名
建築士事務所の開設者は、所属する建築士の氏名・建築士の種別(法23条の2第五号)に変更があったときは、3ヶ月以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。(2項)
2週間以内と3ヶ月以内に該当する各号を間違えないようにしましょう。
建築士事務所の開設者は、一級建築士事務所、二級建築士事務所又は木造建築士事務所ごとに、それぞれ事務所を管理する専任の一級建築士、二級建築士又は木造建築士を置かなければならない。(1項)
設計・監理業務を、建築士事務所の開設者以外の者に再委託してはならない。(1項)
個人の建築士等(建築士事務所登録をしていない者)に再委託してはならない。
延べ面積が300㎡を超える建築物の新築工事に係る設計・工事監理については、委託者の許諾の有無にかかわらず、他の建築士事務所への一括再委託(丸投げ)禁止。(2項)
建築士事務所の開設者は、帳簿や設計図書を15年間保存しなければならない。(規則21条3項、5項)
建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結しようとするときは、管理建築士等に、あらかじめ、重要事項を記載した書面の交付・重要事項の説明をさせなければならない。
締結しようとするときとは、契約前に説明しなくてはいけないことを意味しています。
管理建築士等とは管理建築士でなくても、資格を有していれば重要事項の説明をしても良いということです。
建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結したときは、法22条の3の3第1項各号、法24条の8第1項第二号に掲げる事項を記載した書面を委託者に交付しなければならない。
委託者に交付するのは契約後の話です。
設計受託契約又は工事監理受託契約の締結の時に書面を交付しなければならないということは、それ以外の契約の時には書面の交付は必要ないということです。
まとめ
覚えておけば答えられる問題も多いので、ここで取り上げた項目くらいは頭に入れておきましょう。