今回は制度規定について詳しく解説していきます。
確認申請が必要かどうかが問われるこの項目は毎年一問は必ず出題されます。
手順とポイントを押せえれば、必ず得点できる項目になります。
過去問をベースに説明していきたいと思います。
確認申請(法第6条)
ポイント1:①区域→②用途・構造→③規模→④工事種別の順で判断
①区域
防火地域内
都市計画区域内 で 防火地域外・準防火地域外
のどちらかで問われてくる。
防火地域外・準防火地域外の場合、10㎡以内の増築・改築・移転は確認申請の交付を受ける必要はない。
新築の場合は対象にならないので注意。
②用途・構造
特殊建築物に該当するのか即座に判断出来るようにする
戸建住宅、事務所、長屋、神社等は特殊建築物ではない
③規模
木造の場合の規模
木造以外(鉄骨造、鉄筋コンクリート造等)の規模と階数を覚える
④工事種別
大規模の修繕、模様替にあたるのか判断する
主要構造部の過半の修繕をいう
その他の確認申請(法第85条~88条)
ポイント2:①仮設建築物(法第85条)、②用途変更(法第87条第1項→令第137条の18)、③建築設備(法第87条の2→令第146条)、④工作物(法第88条→令第138条)による確認申請が必要な場合を押さえる
①仮設建築物(法第85条)
応急仮設建築物は、確認申請の交付を受ける必要はない。(2項)
工事現場に設ける仮設事務所は、確認申請の交付を受ける必要はない。(2項)
特定行政庁から許可を得て建築する仮設店舗、仮設興行場等は、確認申請の交付を受けなければならない。(5項)
②用途変更(法第87条第1項→令第137条の18)
特殊建築物で床面積100㎡を超えるもので用途を変更する場合、確認申請の交付を受けなければならない。
類似の用途間の変更に当たる場合、確認申請の交付を受ける必要はない。
令第137条の18 各号を参照し判断する。各号間の変更は確認申請の交付を受ける必要はない。
特殊建築物から特殊建築物以外の変更は確認申請の交付を受ける必要はない。
③建築設備(法第87条の2→令第146条)
第6条第1項第一号から第三号までに掲げる建築物が対象。
第6条第1項第四号に該当する建築物は確認申請の交付を受ける必要はない。
建築設備とは、エレベーター、エスカレーター等(令第146条一号)
④工作物(法第88条→令第138条)
令第138条を参照し判断する。
起算点に注意すること(~mを超える)
練習問題
<平成29年度の問題>
防火地域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないもの はどれか。ただし、建築物の建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定は ないものとする。
1.木造、延べ面積100㎡、地上2階建ての一戸建ての住宅における、床面積10㎡の増築
2. 鉄骨造、延べ面積300㎡、平家建ての、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認め、その建築を許可した仮設興行場の新築
3. 鉄骨造、延べ面積400㎡、平家建ての、鉄道のプラットホームの上家の新築
4.鉄筋コンクリート造、延べ面積500㎡、地上2階建ての劇場の、大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わない公会堂への用途の変更
<解説>答え3
1.10㎡以内の増築等の問題がでた場合、防火地域外及び準防火地域外であるか、必ず確認すること。前提条件に防火地域内とあるため確認済証の交付を受けなければならない。6条1項四号建築物に該当。
2.特定行政庁が許可した仮設興行場は6条の規定が適用される。6条1項三号建築物に該当するので確認済証の交付を受けなければならない。
3.プラットホームの上家は建築物に該当しない。そのため6条の規定は適用されないので、確認済証の交付を受ける必要はない。第2条一号かっこ書
4.用途変更の問題は令137条18を参照。各号同士の変更であれば確認済証の交付を受ける必要はない。劇場(一号)から公会堂(二号)への用途変更は類似の用途間には該当しないので、確認済証の交付を受けなければならない。
<平成30年度の問題>
都市計画区域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がない ものはどれか。ただし、建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定はないものとする。
1. 鉄骨造、延べ面積100㎡の、屋外観覧場の新築
2. 鉄筋コンクリート造、延べ面積500㎡、地上3階建ての物品販売業を営む既存の店舗内における、エレベーター(認証型式部材等に該当するもの)の設置
3. 鉄骨造、延べ面積200㎡、平家建ての事務所の、屋根の過半の修繕
4.木造、延べ面積300㎡、高さ8m、地上2階建ての共同住宅の、寄宿舎への用途の変更
(大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの)
<解説>答え3
1.屋外観覧場は工作物(法2条一号)である建築物に該当。6条1項四号建築物は新築の場合、確認済証の交付を受けなければならない。
2.エレベーター(令第146条一号)は建築設備に該当。6条1項一号から三号に該当する建築物は、確認済証の交付を受けなければならない(法87条の2)。物品販売業を営む店舗は6条1項一号に該当するので確認済証の交付を受けなければならない。
3.事務所は特殊建築物ではない。鉄骨造、平屋建て、200㎡、は6条1項三号建築物に該当しない。したがって四号建築物となり、屋根の過半の修繕は大規模の修繕なので、確認済証の交付を受ける必要がない。
4.用途変更の問題は令137条18を参照。各号同士の変更であれば確認済証の交付を受ける必要はない。共同住宅(該当なし)から寄宿舎(五号)への用途変更は類似の用途間には該当しないので、確認済証の交付を受けなければならない。
まとめ
ポイントを覚えていれば問題文を読んだだけで答えがわかります。
早引きが必要な問題は、繰り返しそのベージを開いて練習しましょう。