今回は温熱環境について解説していきます。
この分野は試験ではあまり深いところまでは問われてきません。
ですので覚えるべき用語、数値をしっかり覚えましょう。
また普段生活している室内の環境をイメージしてみましょう。
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温熱に関する6要素
温熱的快適性に関する要因として
①気温(室温)、②湿度、③気流、④放射(ふく射)⑤代謝量、⑥着衣量
の6要素があります。
これらの要素を整えることが快適な温熱環境と言えます。
温度計で計る温度です。
室温だけを調整しても快適とはなりません。
室内の上下温度差は3℃以内が理想となります。
その時のPPDは5%以内です。
PPD:予想不満足者率。室内の環境を不満足に思う人の割合です。
部屋の湿度が高いか低いかで温度の感じ方が変わってきます。
エアコンで冷房しているとき、除湿を同時に行うと涼しく感じます。
逆に暖房の時は加湿してあげると暖かく感じます。
気流の乱れは不快に感じる要素になります。
局所的に望まれない気流が生じることをドラフトといいます。
窓面を降下する令気流などはコールドドラフトといいます。
室内の壁や天井の温度によっても室温の感じ方は変わります。
冷たい壁の不均一性の限界は10℃以内
暖かい天井の不均一性は5℃以内
その時のPPDは5%以内です。
床暖房の上限は30℃程度
人体が生産するエネルギーで、体表面積1㎡当たりの熱量(W/㎡)で表します。
$$代謝量=\frac{作業時の代謝量}{椅座安静時}(met)$$
1met=58.2W/㎡
成人一人当たり1.6~1.8㎡程度なので、換算すると
100W/人となります。
作業の程度に応じて代謝量は増えます。
その時、顕熱と潜熱の割合は潜熱の増加量が多くなります。
顕熱:温度変化がある熱。温度計に顕れる熱。
潜熱:物質の状態変化のとき、温度変化を伴わずに吸収または放出される熱量。温度計に顕れない熱。
潜熱が増加するとは、簡単にいうと作業をして汗をかいている状態だと思ってください。
また室温が変化しても代謝量はほとんど変化しません。
室内で過ごす人がなにを着ているのかでも、快適に感じるかどうかは変わってきます。
着衣の熱的抵抗をクロ値(clo)で表します。
標準的な背広:1clo
夏服:0.6clo
冬服:1.5clo
裸体:0clo
まとめ
基本的なことばかりですがしっかりイメージできることが大切です。
温熱環境指標や空気調和設備などでもつながってくる知識になります。