防火地域及び準防火地域

今回は耐火建築物、準耐火建築物にしなければならない建築物を見ていきましょう。
判断の仕方は決まっているので手順をしっかり覚えて練習すれば確実に得点できる項目になります。
法令集をうまく活用すれば覚えることも少ないのでこのブログでポイントを押さえていきましょう。

スポンサードリンク

判断の手順

まず確認するのは

防火地域又は準防火地域の内外であるか

です。

防火地域の場合、法第61条

準防火地域の場合、法第62条

を参照していきます。

次に

対象の建築物が特殊建築物に該当するか

です。

特殊建築物に該当する場合、法第27条

を参照していきます。

そしてこの両方(①+②)に該当する場合、

厳しいほうの制限を採用する

ことになります。

この流れをきちんと行えば必ず正解にたどり着きます。

それではまず法第61条と法第62条のポイントをそれぞれ確認していきましょう。

法第61条(防火地域内の建築物)

耐火建築物 ①階数≧3(地階を含む)
      ②延べ面積>100㎡

耐火建築物又は準耐火建築物 階数≦2、かつ、延べ面積≦100㎡

耐火建築物及び準耐火建築物以外の建築物とすることができる要件
1:延べ面積が50㎡以内の平屋建の付属建築物(外壁及び軒裏が防火構造)
2:卸売市場の上家又は機械製作工場(主要構造部が不燃材料で造られたもの)
ポイント
階数は地階を含むので注意!
①か②、どちらかに該当した場合、耐火建築物としなければならない。
①か②に該当しない建築物は準耐火建築物とすることができる。
適用除外の要件は覚える。不燃材料で造られているかを毎回チェックする。

法第62条(準防火地域内の建築物)

耐火建築物 ①地上の階数≧4
      ②延べ面積>1500㎡

耐火建築物又は準耐火建築物 地上の階数≦3、かつ、500㎡<延べ面積≦1500㎡

耐火建築物又は準耐火建築物
又は政令で定める技術的基準に適合する建築物 地上の階数=3、かつ、延べ面積≦500㎡

ポイント
地上の階数(地階を除く階数)をみること。
500㎡以下で地上の階数が3の場合、耐火建築物又は準耐火建築物のいずれにしなくてもよい。
(政令で定める技術的基準に適合する建築物にすることができる)

法第27条(耐火建築物としなければならない特殊建築物)

法第27条では法別表第1を参照して判断していくことになります。
下の表に該当する特殊建築物をまとめました。

法別表第1

法第27条第1項の規定に適合する特殊建築物としなければならない

②法第27条第2項:耐火建築物としなければならない

③法第27条第3項:耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない

①の法第27条第1項の規定とは主要構造部を令第110条一号又は二号のいずれかとすることである。
令第110条一号:大臣認定の場合、特定避難時間を定めている(特定避難時間倒壊等防止建築物)。通常の場合、準耐火構造または1時間準耐火構造となる。
令第110条二号:耐火構造もしくは耐火性能検証法によるもの。
ポイント
つまり27条1項に該当する特殊建築物は、耐火建築物、準耐火建築物以外に主要構造部を110条1項の規定による特定避難時間倒壊等防止建築物とすることもできる。
また法別表1の(5)項 倉庫、(6)項 自動車車庫等が問題文に出てきたときは、規模によって耐火建築物か準耐火建築物かを判断する。

練習問題

問1
準防火地域内においては、延べ面積900㎡、地上3階建の建築物(各階の床面積300㎡)で、3階を倉庫の用途に供するものは、耐火建築物としなければならない。

<解説>

①まずは防火地域内なのか準防火地域内なのかを確認します。
今回は準防火地域なので法第62条を参照します。

法第62条1項により、
地上階数が3以下で500㎡を超えて、1500㎡以下なので、
耐火建築物か準耐火建築物としなければなりません。

②次に対象の建築物が特殊建築物に該当するかをみていきます。
倉庫は、法別表第1(い)欄(5)項に掲げる特殊建築物です。
その場合、法第27条を参照します。
三階以上の部分が200㎡以上なので、
耐火建築物としなければなりません。

①と②の両方に該当する場合は厳しいほうの規定を採用します。
よって②の耐火建築物としなければならない
が正解です。

設問は〇

問2
防火地域及び準防火地域内以外の区域内において、延べ面積2500㎡、地上3階建の学校を新築する場合は、耐火建築物としなければならない。

<解説>

①まずは防火地域内なのか準防火地域内なのかを確認します。
今回は防火地域及び準防火地域内以外なので法第61条と62条はみなくても良いということになります。

②次に対象の建築物が特殊建築物に該当するかをみていきます。
学校は法別表第1(ろ)欄(3)項に該当する特殊建築物です。
その場合、法第27条を参照します。
学校で3階以上なので、法第27条第1項の規定に適合する特殊建築物としなければなりません。
27条1項に該当する特殊建築物は、耐火建築物以外に
主要構造部を110条1項の規定による特定避難時間倒壊等防止建築物とすることもできるので
耐火建築物としなくても良いです。

設問は×

まとめ

しっかり手順を覚えれば確実に正解出来ます。
また適用除外部分や法第27条1項部分とはどういうものなのか、あらかじめ理解しておきましょう。
速学 一級建築士の学習Webサービス

一級建築士学科試験に合格するための、
効率的な学習Webサービス「速学を運営しています。

無料でお試しができるので、ぜひご利用ください。

速学ロゴ

Webテキストと紙のテキストも好評販売中!
詳細はこちらから。



スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする