今回は排水についてピックアップしていきます。
重要なのは排水を円滑に行うための設備がどのような役割を持っているのかを理解することです。
排水通気設備
ポイント1 トラップと通気管の役割の違い
まずはトラップの役割を説明していきます。
トラップは封水の機能によって、排水管または公共下水道からガス、臭気、虫等が屋内に侵入するのを防止するために設けます。
一般的にはP型、S型、U型の3種類が代表的です。
Pトラップは、一般に広く用いられ、他の管トラップに比べ封水が最も安定しています。
封水深は50mm~100mmとし、高くても低くてもいけません。
排水口からウエアまでの垂直距離600mm以下に抑えます。
二重トラップはいかなる場合も禁止されています。
理由としてはトラップ間が無通気状態となり、正圧時には逆流を起こし、負圧時には封水が引っ張られて破れてしまうためです。
次に通気管の役割を説明します。
通気管は、負圧からトラップの封水を保護(またはサイフォン作用による封水の破れを防止)することと、排水管内の排水の流れを円滑にする、排水管内に新鮮な空気を流通させて、排水管路内の換気を行うことを目的とします。
上記の図ように無通気部分が存在するとトラップが破れてしまうおそれがあるわけです。
先ほどの二重トラップの禁止についても同様のことで説明できます。
まとめ
排水設備は排水の流れと空気の取り入れをどのように行うのか、設備のそれぞれの役割を理解することです。
建物の断面的な図に配管を描いて、イメージできるようにしましょう。