今回は換気の知識からザイデルの式にピックアップして解説していきます。
計算問題として出されることが多いですが、ポイントを押さえれば簡単です。
計算だからといって苦手意識を持たず、しっかり手順を覚えましょう。
ザイデルの式
まず初めにザイデルの式が成り立つ条件として、
定常状態であることが条件になります。
定常状態:物理量が空間の各点において時間的に変化がなく一定している状態。室内に置き換えると入ってくる空気と出ていく空気は常に一定で等しい状態。
この時、濃度が%で聞かれれば1/100倍
ppmで聞かれれば1/1000000倍(0が6個と覚えましょう)
にして単位を変換して下さい。
ここまで覚えればあとは応用になります。
\(Q=\Large{\frac{D}{m_i−m_o}}\) [\(m^3\)/h]
D:汚染物質の発生量 [mg/h]
\(m_i\):室内の汚染物質許容濃度 [mg/\(m^3\)]
\(m_o\):室外の汚染物質濃度 [mg/\(m^3\)]
\(Q=\Large{\frac{H}{1.2(t_i−t_o)}}\) [\(m^3\)/h]
H:室内の発生量
\(t_i\):室内の許容温度 [℃]
\(t_o\):室外の外気温度 [℃]
1.2:空気の容積比熱 [kJ/\(m^3\)・K]
\(Q=\Large{\frac{W}{\rho(x_i−x_o)}}\) [\(m^3\)/h]
W:水蒸気の発生量 [kg/h]
\(x_i\):室内の重量絶対湿度の許容温度 [kg/h]
\(x_o\):室外の重量絶対湿度 [kg/kg(DA)]
\(\rho\):空気密度(≒1.2) [kg/\(m^3\)]
排熱と排湿の計算の時は必ず分母に1.2を乗じることを忘れないこと!
換気回数
\(N=\Large{\frac{Q}{V}}\) [回/h]
N:換気回数[回/h]
Q:換気量[㎥/h]
V:室容積[㎥]
換気回数から必要換気量を求める場合
Q=N×V [\(m^3\)/h]
容積が100㎥の室において、室内の水蒸気発生量が0.6kg/h、換気回数が1.0回/h のとき、十分に時間が経過した後の室内空気の重量絶対湿度はいくつになるか。ただし、室内の水蒸気は室全体に一様に拡散するものとし、外気の重量絶対湿度を0.005kg/kg(DA)、空気の密度を1.2kg/㎥とする。また、乾燥空気1kgを1kg (DA)と表す。
初めての方でも出来るように丁寧に解説していきます。
使う式は除湿のための必要換気量を求める式です。
求めたいのは室内空気の重量絶対湿度(\(x_i\))です。
ですので、まず(\(x_i\))イコールの式に変換する必要があります。
必要換気量を「換気回数×容積」に直して計算すること!
まとめ
式の変換は慣れれば簡単なので、毎回ていねいに変換を行うことです。